「えぇ、分かりました。」 「頼みましたよ。」 理事長が俺に手を差し出す。 「それと、水瀬さんの事はこちらでもフォローするので、任せて下さい。」 「………よろしくお願いします。」 全ては、莉茉の為。 理事長が差し出した手を、俺は握り返す。 「高崎くんも、気を付けて帰りなさい。」 「はい、失礼します。」 握り締めていた手を離し、理事長に一礼した俺は、部屋を出て、待っている大雅の元へと足を進めた。