「………朔くん…?」 私以外の人には、どんな時も作ったような笑顔をずっと絶やさないのに。 今の朔くんからは、びりびりとした緊張感が漂ってくる。 「ーーーー朔、今ちょっと良いか?」 その声にはっと私が後ろを振り返れば、この場にいるばすのない、天野先輩が佇んでいた。 「っ、」 驚きに目を見張る。 ……………どうして、3年生の彼が、1年生の階に? 困惑する私の隣で、朔くんは悠然とした表情で天野先輩と向き合った。