「それでは、水瀬さん。」 「………はい。」 「そろそろ、教室の方へ向かいましょうか。」 「……分かりました。」 硬い表情に戻ってしまった莉茉が、鞄を手に取り椅子から立ち上がる。 「………暁、行ってきます。」 「あぁ、頑張ってこいよ?」 「……うん。」 緊張を滲ませた顔で頷いた莉茉は、前田に促されるまま理事長室から出て行った。