「はい、前田先生。よろしくお願いします。」 ぺこりと頭を下げた莉茉に、前田が又もや相好を崩す。 「水瀬さん、そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ?」 「あ、はい……。」 「こちらこそ、よろしくお願いしますね?」 前田の柔らかい雰囲気に、莉茉も少しは安心したらしい。 昔から、そうゆう事は得意だったからな。 隣に座る莉茉の肩から、力が抜けていくのを感じた。