「ーーーー以上が、この学園の大まかな説明になります。」 「はい。」 隣に座る莉茉が、理事長に頷く。 「水瀬さん、今の説明で何か分からない点や、疑問や質問はありますか?」 「………。」 理事長の問いに数秒間、沈黙を保った莉茉が、首を横に振る。 「いいえ、大丈夫です。」 「そうですか。それなら、水瀬さんの担任になる先生をお呼びしますね。」 ゆっくりと椅子から立ち上がった理事長が、ディスクに備え付けられている受話器を取った。