暁の存在に気が付いた在校生のざわめきの声を聞きながら、私達が辿り着いた先は、理事長室とプレートに書かれた部屋の前。 「…………ねぇ、暁?」 私は、隣の暁を見上げる。 「ん?」 「何で、校内の中をそんなに詳しいの?」 一度も迷う事なく、暁の先導で辿り着いた理事長室。 どう考えても、校内の中を熟知しているとしか思えないんだけど。 「……あぁ。」 私の疑問を理解したのか、暁がふっと口角を上げた。