「莉茉、行くぞ。」 「うん。」 暁に頷いた私は、後ろを振り返って軽く頭を下げた。 「学園まで送りをありがとうございました。それじゃあ、行ってきます。」 私が顔を上げれば、2人共、優しい笑顔を浮かべている。 「若姐さん、帰りもお待ちしております。」 「後でね、莉茉ちゃん。」 深く頭を下げた銀次さんと、手を振ってくれる大雅さんに見送られて、私は学園へと歩き出した。