「莉茉、お前は俺の女だろ?」 「っ、うん。 」 照れる。 目を泳がせる私の頬を、暁の手が撫でた。 「俺達の世界では、組長、若頭の女を姐さんと呼ぶ決まりだ。」 「そうなの?」 「あぁ。」 そこで暁が頷く。 「言わば、通り名だな。」 「通り名…。」 「お袋も、親父以外には姐さんって呼ばれてるぞ?」 今度は、目を丸く私の髪を笑いながら、暁が梳く。