「行ってらっしゃい、莉茉ちゃん。」 「若姐さん、学業を頑張って来てくださいね。」 桜樺学園の昇降口に近い外来用の駐車スペース。 止められた車から降りようとした私に、大雅さんと銀次さん声を掛けられた。 「はい、ありがとうございます。」 おずおずと笑えば、2人とも優しい眼差しを私に向けてくれる。 ーーーーー若姐さん。 初めて銀次さんにそう呼ばれた時、凄く戸惑ったのを、覚えている。