「……莉茉。」 「うん?」 「違うだろ?」 俺の目線の先は、莉茉の手。 「違う?」 そんな俺の視線に、不思議そうな表情を浮かべた莉茉は、首を傾げた。 「ちゃんと、こうやって俺の手を握れよな?」 俺の服の裾を掴む手を取り、自分の手と握り直せば、目を丸くさせる莉茉。 「っ、うん。」 次の瞬間、莉茉が嬉しそうに微笑んだ。