「うん?」 「もう、出る時間だ。」 ちらりと時計に視線を向ける。 そろそろ、家を出るには良い時間だ。 それに、このままいたら、ベッドに莉茉を押し倒しちまうからな。 転向初日に、それは可哀想だ。 「…………うん。」 途端に不安そうな顔になった莉茉が、俺の服の裾を掴む。 「………。」 ……全く。 何で、俺の裾を掴むんだよ。