「……………、暁?」 「うん?」 「あの、さ?」 もぞもぞと動いた莉茉が、俺の腕の中から顔を上げる。 「暁が使ってる香水、借りても良い?」 「香水?」 しかも、俺の? 莉茉には、俺が似合うと思った香水を買ってある。 結構、本人もその香りを気に入っていたばずなのに。 「………莉茉、何に使うんだ?」 俺の疑問も、最もだと思う。 莉茉に対して、首を捻るしかなかった。