「だって……柊くん、あれから一度もそんな事言わなかったじゃないっ
もう1年も経つのに……あたしの答えを催促したり、そういうの1度もっ……」
そうだよ……。
1年もの間、ただ何も言わずに待ってるなんて……ありえない。
絶対……ありえないよ。
あたしの言葉に、柊くんは困り顔で微笑んで……あたしを見つめた。
「惚れた弱みってヤツなんかな……。
沙織が答えを出してくれるまで……多分、俺いつまででも待てた」
「だって……1年だよ?!」
「ああ。……結構長かったな」
長かったなって……そんな軽く笑う事じゃなくて……
だって……
だって―――……
「……そんなにあたしの事想っててくれたの?」
「……」
柊くんは少し気まずそうに表情を歪めて、ようやくあたしを抱き締めていた腕を離した。
そんな柊くんにあたしはゆっくりと向き合って……その表情を見つめる。
照れ隠しのように首の後ろあたりを掻く柊くん。
あたしから逸らした視線はそのままに、表情をしかめていた。
「嘘……本当に……?」
柊くんから何か答えをもらった訳じゃない。
だけど、無言の空間が、柊くんの態度がそれを教えてくれていて……
あたしの言葉に、柊くんはまたしても黙り込んだ。
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