意味の分からない柊くんの言葉に、あたしは一瞬戸惑って……
でも、頭の中を整理する事なんかできないまま口を開く。
「だって……だって、柊くん、期待させるような言葉ばっかり言うくせに肝心の言葉はいっつもくれないから……
そういうの、なんかつらくて……どんどん自分の気持ちが汚くなってきちゃて……だから、あたしっ」
「ちょっと待て」
一度開いたら、止まる事なく溢れ出てきてしまったあたしの気持ち。
それは自分でも収拾不可能で、結局それを止めたのは柊くんだった。
だけど、あたしを止めたくせに柊くんは少し考え込むように口を閉じた。
難しい表情をちらっと横目で覗いていると……不意にその視線を向けられて、あたしは焦って身体を揺らす。
「俺、沙織に告白したろ?」
「へ……?」
あまりに予想外の言葉に、あたしの口からはまぬけすぎる声が漏れた。
だって……え、だって、今なんか柊くん変な事……
ただひたすら気を動転させて、展開を理解できずにいるあたしを見かねてか、柊くんが言葉を続ける。
「多分、1年くらい前だと思うけど……沙織の事が好きだって、俺言っただろ?
沙織はそん時、もっと好きになったら言うからって約束したろ?」
「え……え、……?」
柊くんの言葉に、あたしは記憶の中を探し回る。
だけど、そんな重大な事を言われたら、絶対に覚えてるハズで1秒だって忘れた事なんてないハズなのに……
「……あ、」
そんな事あるハズがない。
半分そう決めつけながら、その答えを探していたあたしの頭が、ある記憶を引っ張り出した。
あの時の……居眠りしちゃった時の柊くんとの会話―――……
『好きなんだ』
その言葉の主語は、星だと思ってたけど……もしかして―――……
「……思い出した?」
あたしの驚きの表情に気付いた柊くんが、小さく首を傾げる。
……思い出しはした。
だけど、だけど、それが本当なら柊くんは……
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