【ご令嬢はいつでもシリーズ5】悪役令嬢の厄落とし! 一年契約の婚約者に妬かれても、節約して推しのライブ予約してあるので早く帰りたい。だめなら胃腸薬ください!



「ヘティ……?」
「ベアトリスお嬢様、今私が里帰りしては、謝罪のほうはどうされるおつもりなのですか?」
「あっ……! そ、そうよね。ヘティ、本当に申し訳ないのだけれど、あと四十五日だけ、それだけ待ってもらえないかしら? 四十五日後には必ずあなたに休暇を与えると約束するわ。待って、ちゃんと実現されるように念書を書いて、お父様とお母様にもサインしてもらいましょう! そうすれば、私がベアトリスに戻っても……」

 おっと……! 慌てて目を配ると、ヘティと三人が神妙に顔つきで見ていた。ヘティはともかく、三人は入れ替わりのことは知らない。私は、にこっとごまかし笑い。