「さあ、お嬢様のお好きなクリームたっぷりのお菓子ですわ。どれからになさいます?」
ヘティと言う名のメイド? 侍女? が紅茶を入れてくれた。
見ただけで胃もたれしそう……。
えーと、あー……。
まさかとは思うけど、これっていわゆる転生しちゃった的な、あれ……?
「え、ええと、ヘティさん……」
「え? お嬢様、どうなさったのですか? 私のことはヘティと呼び捨てになさってくださいませ」
「ヘティ、あの、私、なにか手に握ってなかった?」
「なにか、と申しますと?」
「このくらいの、紙で、こんな、封筒に入ってたはずなんだけど」
「紙……? いえ、お嬢様が王宮の大階段でお倒れになった際、手にはなにもお持ちではございませんでしたが?」
うっ、うそでしょ――……?



