【ご令嬢はいつでもシリーズ5】悪役令嬢の厄落とし! 一年契約の婚約者に妬かれても、節約して推しのライブ予約してあるので早く帰りたい。だめなら胃腸薬ください!



 ヘティの言葉にベアトリスの変わりように戸惑っていた三人も、はっきりと何かが変わったのだと気が付いたようだった。
 これって、いい兆候?
 うーんと……。でも待ってよ……。
 私は腕を組んだ。

 私がここにいる間はこれでいいとして、私とベアトリスがまた入れ替わったときには、どうなっちゃうの?
 またわがまま放題の悪役令嬢に元通りってことだよね。
 それって、この人たちにとっては最悪なんじゃ……。
 改心したみたいだからせっかく手伝ってあげたのに、いつの間にか元通りになって、また意地悪な令嬢に毎日困らされるってことに……なるよね、なるだろうな。間違いないよね、これは。

「ねえ!」

 私は四人を素早く振り返った。ヘティ以外の三人が、ギクッとしたが、まあ、この際それはしょうがない。