「ああ……。荒唐無稽な話だが聞いているうちに、あることを思い出したのだ」 「あること?」 「昔、お前と全く同じように別の世界からこの世界の人間に乗り移ってしまった者がいたという話だ」 「そっ、それ、本当!?」 「ああ、その者が元の世界に帰るときに残した帰還の呪文があるはずだ」 「呪文……! そ、それはなんて……」