【ご令嬢はいつでもシリーズ5】悪役令嬢の厄落とし! 一年契約の婚約者に妬かれても、節約して推しのライブ予約してあるので早く帰りたい。だめなら胃腸薬ください!



「あ、はい……。エバン様にも以前の姿はお気に召しませんでしたようで、大変申し訳なく思います……」

 今は白のブラウスに、カメオのブローチ。コルセットやパニエがなくても違和感のないストレートデザインのグレーのスカート。落ち着いた色味のシンプルなツートンカラーは少なくとも子供っぽくは見えないはずだ。それに、これまでの悪役令嬢としてのイメージを一新するにはこれ以上わかりやすい変化はない。髪は以前のようにうず高くしたりせずに、ごく一般的なクラウンにして巻き付けてある。メイクも清潔感のある薄化粧だけ。

「ふん……、見た目だけしおらしく変えてみたところで、お前の心根が変わったわけではあるまい。それで一体何の話だ」