「おい、エバン、聞いたぞ。この色男」
「ジェイド……」
勤務交代のタイミングでやってきたのは従兄弟のジェイドだ。
ソドム・クラークネス辺境伯の子であり、俺と同時に王宮警備職に上がった。
かつて俺とジェイドは団栗の背比べだったが、今では剣術、拳闘術、馬術ともに俺の方が数段うわ手だ。とはいえ、辺境伯の実の子と甥という立場は近いようで遠い。この王宮務めにおいてジェイドは騎兵団所属、俺は歩兵団。階級で行くと、少尉と准尉という格差なわけだ……。
そんなこと歯牙にもかけていないジェイドが人のいい顔で俺の肩に手をやった。



