【ご令嬢はいつでもシリーズ5】悪役令嬢の厄落とし! 一年契約の婚約者に妬かれても、節約して推しのライブ予約してあるので早く帰りたい。だめなら胃腸薬ください!



「……だが、それが事実だとして、どうしてベアトリス本人が謝罪したことになる? 手紙などそれこそ侍女のお前に書かせたものかもしれないではないか」
「お疑いになるのでしたら、ご自分のその目と耳でお確かめください」

 ヘティがさっと私の隣にやってくると、私の手を取った。あっ、と言う間に私の利き手の手袋をはぎ取った。ペンだことインクに汚れた指先と小指の下の側面。エバンが私の手を見て、ぐっと口を結んだのがわかった。
 ヘティが続けざまに遠くを見るように目線を投げた。