お父さんはジュリアを抱きとめるようにして頭を撫でる。トーマスは籠の中を見てすぐに私に顔を向けてきた。
やっぱり気づいたな……。
なにか言いたげなトーマスに向かって、小さく微笑んだ。柔らかな実は丁寧に摘まなければ潰れてしまう。私の摘んだマルベリーとジュリアの摘んだマルベリーは、違いが一目瞭然。幼いジュリアの拙い手で細かい作業はまだ難しいから、私の持っているジュリアの籠は、マルベリーが潰れて傷ついたりして果汁が染み出てしまっている。
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