シリアル・ホラー

「ま、まりちゃん?」

 まりちゃんの頭がない!
 悲鳴を上げようとすると、後ろで足音がした。

「ひ……」

 おそるおそる振り向くと、丸夫くんだった。

「丸夫くん……」
「みぃ~りぃ~ちゃ~ん、どおぉ~したのぉ~」
「丸夫くん、まりちゃんが……」
「ええ~?」

 丸夫くんはのそのそやってきて、私を押しのけるようにしてまりちゃんをのぞき込む。首のない人形のようなまりちゃんの身体をいろいろな角度から眺め、ベンチの後ろに落ちている頭もしゃがみ込んでじいっと眺めた。
 声を上げるでもなく、驚く様子もなく、丸夫くんはそうしてしばらく観察するように眺めていた。
 すると突然、まりちゃんの頭を両手で持ち上げた。

「え? ま、丸夫くん、まりちゃんの頭をどうするの?」
「うう~んとぉ、くっつけてみるう~」
「ええ~っ!?」

 丸夫くんはベンチの後ろに立ち、まりちゃんの頭を元の位置に持っていく。首の断面は綺麗で、野村くんたちのようにつるつるしていた。
 丸夫くんはまりちゃんの頭を持ってしばらくぐりぐりと動かしていたけど、やがて静かに両手を頭から離した。

「う、うう~ん」

 するとなんと、まりちゃんがうめき声をあげた。

「まりちゃん!」
「美里ちゃん……」