シリアル・ホラー

「は~い」

 下りて電話に出ると、まりちゃんだった。なんだかすごく焦ってる。

「ねえ、い、今すぐ出てこられない?」
「え?」

 時間は午後6時前。まだ外は暗くはないけど、小学生が出歩いていい時間じゃない。

「山の下公園で待ってるから!」
「え、あ、ちょっと」

 まりちゃんはそういうと、一方的に切ってしまった。

「あ、もう……」

 どうしよう。でもとりあえず行くしかない。山の下公園はここから歩いて十五分くらい。自転車なら5分もかからないで行ける。夕ご飯前には戻って来られるだろう。

「お母さん、ちょっと出かけて来る」
「ええっ? こんな時間に? もうお夕飯できるわよ?」
「すぐ帰ってくるから」
「もう…… 気をつけるのよ」

 この間もなんとかブツブツ言う声に玄関扉を閉め、私は自転車を出して跨がった。
 公園へ着くと、まりちゃんがベンチに座っているのが見えた。

「まりちゃん!」

 公園の入り口へ自転車を置いて走る。まりちゃんはうつむいて、スマホをいじっているようだった。

「まりちゃん」

 まりちゃんの前に立つ。まりちゃんはゆっくりと顔を上げ…… そのまま首がベンチの後ろへと落ちていった。

「え……」

 ベンチに座る首のないまりちゃんの身体。赤い夕陽が、まるで血のようにまりちゃんの身体に降り注いでいた。