「観覧車に乗りたい!」


「ん。じゃあ行こ」




 要望を伝えると、怜央(れお)微笑(ほほえ)んで、観覧車のほうへ歩いて行く。

 Night Empire(ナイトエンパイア)の人たちが動くのを感謝して見つつ、観覧車のかごに入ると、座ってしばらくしてから、ギギギ、と動き始めた。




「わ、古いだけあって、音が不穏だね…」


「大丈夫、無事に帰れるよ。スリルはあるけど」


「えっ?か、観覧車なのにスリル?」




 “無事に帰れるよ”っていう発言まで怖くなってきたんだけど…!

 動く景色を見ながら、怜央の手をぎゅっとにぎると、怜央は手をほどいて、指を絡めるように手をつなぎ直す。




「うちの観覧車は、絶叫アトラクションだから。楽しんで」


「ぜ、全然そんなつもりじゃなかったんだけど!?」


「怖かったら抱きついてもいいよ」


「その言葉がすでに怖いよ!」