【中】暴君の溺愛は、罪なほどに。

「それは大変だねぇ」


「俺が探して参ります。夕華さまはごゆっくり、おくつろぎください」


「あ、ありがとうご…、ありがとう、士瑛(しえい)さん」




 うーん、心くんはまだしも、士瑛さんはどうしても敬語でしゃべりたくなっちゃうな。

 士瑛さんがすごくていねいに接してくるのもあるし…。

 そう思いながら、頭を下げて部屋を出ていく士瑛さんを見送る。




「ねぇ、夕華。俺も、敬語いらない」


「えっ?」




 突然話しかけてきた怜央さんに、丸くなった目を向けた。




「名前も、呼び捨てでいい」


「…怜央?」


「ん」




 試しに呼んでみると、怜央さんは満足そうに微笑(ほほえ)む。

 呼び捨てなんて、仲のいい恋人みたい…かなり照れるかも。