翌朝。

 “お昼寝”から起きたあとは、夜中までずっとバタバタしていたから、愛奈(あいな)にメッセージを送るひまもなくて…。

 今、連絡を入れておこうと思って、枕元に置いたスマホを探すと。




「あれ…?ないなぁ…」


「ん…なに、探してるの…?」




 うしろから聞こえた、寝起きのかすれた声にびくっと肩が跳ねる。

 そう…これが、バタバタしていた原因のひとつ。

 お城にお泊りする間、私の寝る場所は、怜央(れお)さんと同じ寝室だって言われちゃったんだ。


 さすがに乙女として抵抗したのだけれど、一緒にお昼寝をしちゃったこともあって、なあなあのまま、また一緒に寝てしまい…。




「お、おはようございます。あの…私のスマホがなくなっていて…心当たり、ありませんか?」