【中】暴君の溺愛は、罪なほどに。



 あっさり諦めたかと思えば、怜央さんはあくびをもらした。

 本当に、わがままなお方なんだから…。

 思わず苦笑いしたあとに、怜央さんが私を抱きしめたまま目を閉じたのを見て、慌てる。




「れ、怜央さん、まさかこのまま寝るんですかっ!?ちゃんとそばにいますから、この腕は離して――」


「やだ」


「や、やだって…あぁぁ、ちょっと待って、寝ないでくださいっ!」




 必死の訴えもむなしく、怜央さんは、すぅ、すぅ、と寝息を立て始めた。

 寝つきがいいなぁと思いつつ、なんとか腕の中から出られないか格闘したけれど…。

 動けば動くほど、私を抱きしめる力が強まって、逃げられなくなる。


 しかたなく、速い鼓動を聞きながらじっとしていれば、怜央さんの眠る姿につられて、私もだんだん、まぶたが下がってきて…。

 いつのまにか、一緒に眠っていた。