【中】暴君の溺愛は、罪なほどに。



「ごめんなさい。これからは、一緒にいますから」




 たたんだ腕を伸ばして、そっと黒い髪をなでてみると、怜央さんは少し目を丸くして、まぶたを閉じる。




「ん…夕華は俺の(プリンセス)なんだから、俺のそばにいなきゃダメだよ」


「分かりました」


「妹じゃなくて、俺を優先して」


「それは…」




 無理かも。

 眉を下げると、怜央さんは不機嫌そうに目を開けて、私を見つめた。




「“分かりました”って言えないの?それなら、そう言うまで離さないから」


「えぇ?だ、だって、私にとって愛奈(あいな)は大切な存在で…!」


「ふぅん、俺は大切じゃないんだ。妹以下なんだ」


「す、すねないでくださいよっ!」




 言ってることが子どもみたいなんだけど!?

 見た目は大人っぽい雰囲気なのに!




「俺にとっては唯一なのに…夕華は、浮気するんだ」