お城に戻ってから、私はずっとふさぎこんでいた。
怜央に返されたスマホからは、愛奈の連絡先が消えていて、今までやりとりした記録さえも全部、“愛奈の痕跡”はきれいに消されていた。
心くんに話しかけられても元気に応えられず、士瑛さんに気遣われても「大丈夫」としか言えず、怜央のそばにいるのもしんどくて。
私は5階の寝室に移動して、窓に差し込む日差しから目を背けながら横になった。
「夕華」
今は1人になりたいのに…怜央は、私を逃がしてはくれない。
複雑な気持ちがうずまく胸を押さえて目をつぶると、お腹の前あたりのベッドが沈む。
「俺をうらんでるの?」
優しく聞きながら、ほおをなでられた。
「うらまれる、自覚があるんだね」
「どうだろう。俺がしたいことをしただけだから。でも、夕華がそんな目を俺に向けてた」
「私、が…」



