【中】暴君の溺愛は、罪なほどに。



 お城に戻ってから、私はずっとふさぎこんでいた。

 怜央(れお)に返されたスマホからは、愛奈(あいな)の連絡先が消えていて、今までやりとりした記録さえも全部、“愛奈の痕跡”はきれいに消されていた。

 (こころ)くんに話しかけられても元気に応えられず、士瑛(しえい)さんに気遣われても「大丈夫」としか言えず、怜央のそばにいるのもしんどくて。


 私は5階の寝室に移動して、窓に差し込む日差しから目を背けながら横になった。




夕華(ゆか)




 今は1人になりたいのに…怜央は、私を逃がしてはくれない。

 複雑な気持ちがうずまく胸を押さえて目をつぶると、お腹の前あたりのベッドが沈む。




「俺をうらんでるの?」




 優しく聞きながら、ほおをなでられた。




「うらまれる、自覚があるんだね」


「どうだろう。俺がしたいことをしただけだから。でも、夕華がそんな目を俺に向けてた」


「私、が…」