泣きさけぶ愛奈を見て、私は唇を引き結んだ。
それから、しかるように強い口調で言い聞かせる。
「愛奈、目を覚ましなさい!愛奈は暴力男なんかを好きになる子じゃないでしょう!?」
すると、愛奈は、びくっと肩をゆらして、唇をかみながらうつむいた。
ぐすっと、今までとはちがって、静かに泣く音が聞こえる。
「…かっこいいと、思ってたのに…なぐられるなんて…っ」
そっと、愛奈を抱きしめると、力なく押し返された。
「愛奈はずっと、好きな人と結ばれない運命なんだ…っ!」
「そんなことない。愛奈は素敵な子だから、いつか絶対にいい人と結ばれるよ」
「…お姉ちゃんが、そんなこと言わないでよっ!愛奈が好きになった“いい人”はみんなっ、お姉ちゃんを好きになるのに!」
「え…?」



