【中】暴君の溺愛は、罪なほどに。



 怜央は微笑(ほほえ)んで、私の手をにぎる。

 (こころ)くんは倉庫の前に残り、士瑛(しえい)さんは私たちの前を歩いて、倉庫の奥へ向かうのにじゃまな人たちを一撃で倒していった。

 怒号が飛び交う中を緊張しながら歩いていると、倉庫の2階、ロフトに愛奈の姿を見つける。




「このっ、役立たずが!姉とやらを操ってこの状況をどうにかしてみろよ!」


「痛いっ!」




 茶髪の男の人が、愛奈の髪をつかんで怒鳴っているのを見て、私はカッとなりながら、怜央の手を振り払って階段を駆け上がった。




「やめなさいっ、この暴力男!」


「あぁっ!?」


「お、ねえ…ちゃん?」




 愛奈の髪をつかむ腕をつかんで、せいいっぱい男の人をにらみつけると、怒りに満ちた目を向けられる。

 怒ってるのは私のほうだよ!