【中】暴君の溺愛は、罪なほどに。



 Bomb(ボム) Strike(ストライク)さんのいるところまでは、お城の裏に停めてあったバイクで5分ほどかかった。

 怜央(れお)のうしろに乗せてもらってついてきた私は、バイクが止まった先に倉庫があるのを見て、ここにBomb Strikeさんが、と唇を引き結ぶ。


 たくさんのバイクの音を聞きつけて、倉庫の中から出てきた男の人たちは、私たちを見て「Night Empire(ナイトエンパイア)!?」と言い当てた。

 怜央は先にバイクを降りて、私に手を差し伸べながら口を開く。




「俺の(プリンセス)が、きみたちのこと気に入らないって。群れるのは、今日で終わりね」




 私は怜央の手を借りてバイクを降りながら、怜央が横目に、ぞっとする冷たい視線を男の人たちに向けている様子を見た。




「…うん?きみたち?怜央、私が仕返しして欲しいのはBomb Strikeさんって人のことであって、あの人たちじゃないよ?」