【中】暴君の溺愛は、罪なほどに。

「怜央さまのご恩情を、ご理解ください。本来ならば徹底的に処罰するところを、夕華さまとの血縁に免じて見逃していたのです」




 心くんと士瑛さんになだめられて、私は奥歯をかんだ。

 確かに…よくないことをしたのは、私たちのほう。

 私はスパイであることを、Night Empire(ナイトエンパイア)に見逃してもらっている身。


 それでも、愛奈がこんな、アザになるほど暴力を振るわれるなんて…。

 悲しくて、許せなくて、私は目をつぶりながら、愛奈が映ったスマホをおでこに当てた。




「…怜央、助けて」




 震えた声で、か細く願う。

 私はスマホを下ろして、顔をくしゃくしゃにゆがめながら、怜央を見つめた。




「愛奈を、私の大切な妹を、助けて。お願い…愛奈をこんな目にあわせる人と、関わらせておくわけにはいかない」