【中】暴君の溺愛は、罪なほどに。



 怜央(れお)と両想いであることを知って、私たちは本当の意味で恋人になった。

 今までで一番ドキドキする夜が明けて、どこか夢見心地で朝食を終えると、私は気を取り直して怜央に詰め寄る。

 いつもの4階のお部屋。士瑛(しえい)さんと(こころ)くんも私の様子を見守っていた。




「怜央、約束通り、愛奈(あいな)に会いに行かせて」


「…俺、会わせるとは言ってないよ」


「え?でも…!」




 愛奈の姿を見せてくれるって言ったのに!

 目を丸くして怜央を見つめると、怜央は、ほおづえをつきながら、士瑛さんに向かって手を差し出した。

 士瑛さんは「どうぞ」と言って、怜央に黒いスマホを渡す。




「昨日撮った、妹の写真。これ、見せてあげる」


「しゃ、写真?そんなの――」