【中】暴君の溺愛は、罪なほどに。



 笑顔で手を差し出すと、怜央は指を絡めて、私の手をシーツに押しつける。

 握手、しようと思ったんだけど…。

 きょとん、と私の上におおい被さった怜央を見上げた。




「もう、ケンカしたくない。俺は夕華のご飯が食べたいし、夕華と話したいし、夕華のそばにいたい」


「私も…怜央と、ケンカなんてしたくないよ」




 苦笑いすれば、怜央は「もっと、工夫する」とつぶやく。

 少しは譲歩(じょうほ)してくれるようになるのかな?

 それなら、私もちゃんと伝えなきゃ。




「家に帰っても、私はちゃんと毎日、お城に来て、怜央に会いに来るよ。愛奈に一切会えないのが嫌なだけなの」


「…」




 怜央と一緒にいたくないわけじゃないよって、伝わったかな?

 赤い瞳を細めた怜央は「夕華」と私の名前を呼んだ。