【中】暴君の溺愛は、罪なほどに。



「…愛奈(あいな)に会いたい」


「…夕華が俺以外の人間に()がれてるの、やだ」


「私にとって愛奈は大切な存在なの。たった1人のかわいい妹だから」




 私が守って、お世話してあげなきゃいけない、幼い妹。

 お父さんとお母さんの代わりに、私がたくさんの愛情を伝えてあげるの。




「じゃあ…妹の姿を見たら、満足してくれる?」


「…あと1日くらいは、ここに泊まってもいいよ」


「…分かった。それじゃあ明日、妹の姿を見せてあげる」


「本当っ?」




 ごろりと体を反転させて怜央を見ると、薄暗い部屋の中で、怜央は「うん」と赤い瞳を細めた。

 よかった。

 明日、愛奈に会えるっ。




「ありがとう、怜央。ケンカは終わりだね」


「本当?」


「うん。仲直りしよう」