耽美なる箱庭



 わたしの誕生日まで、あと1時間。

 プレゼントくれた麗くんにありがとうの連絡したいわたしと嫌がる千佳くんの一悶着はあったけれど、無事にわたしの勝利で決着がつき、いまは入浴タイム。

 全身を入念に洗って、お風呂上がりはクリームで肌をもちもちにする。歯も磨いて、髪も乾かして、不備がないかくまなくチェック。

 よし、完璧。

 あとは麗くんがくれたプレゼントを──……


「のの」

「んわー! なんで勝手に脱衣所に入ってくるの千佳くん! ベッドで待っててよー!」

「……結構待った」

「寂しそうな顔してもだめ! 女の子にはいろいろ準備があるの!」


 ノックもなしにドアを開けてきた千佳くん。

 わたしは慌ててショッパーの中身を隠し、どこか寂しげで不服そうな表情をする千佳くんを脱衣所から出させて、ドアをピシャリと閉めた。


「……ドアの前で待ってる」

「(千佳くん、犬みたい)」


 寂しがり屋の千佳くんが寝室に戻らないから、薄い木の仕切りを一枚隔てて会話する。

 勘のいい千佳くんにバレないよう、わたしは麗くんからのプレゼントを急いで静かに身につけた。