耽美なる箱庭



 金髪碧眼のガタイのいいデザイナーさん。

 どうやら麗くんと遠い親戚らしく、海外で生まれて日本に留学、そのあとまた拠点を海外に戻して、今は世界中で活躍してるとのこと。

 ファッション以外にも、広告やグラフィックデザインも手掛けているんだって。


「ボク、ウィルだよ。仲良くしてね」

「……よ、よろしく、お願いします……」


 距離感と体格差にびつくきながら、一応素人のモデルですみませんと挨拶し、千佳くんの背に隠れる。

 差し入れを発見し、「どら焼きだー!」と走っていったウィルさんは、多分素直な性格。

 わたしは悪意がなさそうなことに、少し安堵した。


「ごめんね、ののちゃん。ウィルは基本的にオーバーリアクションで距離感バグだから。後で叱っとくよ」

「ううん、平気」

「気使わせてごめんね。それじゃあ、ヘアメイクして服着替えよっか」


 さて、ここからが本番。

 顔を隠すとは言え、表立って見えないところも本気でやるのがプロフェッショナル。

 ヘアメイクさんは女性で「お肌が陶器!」「綺麗な二重で目の形も完璧」「睫毛長〜い」「唇もぷるつや羨ましい〜」と、わたしをべた褒め。

 緊張しないようにか、ずっと明るく話しかけてくれて優しかった。