耽美なる箱庭



 麗くんは、千佳くんよりも派手な印象だけどフレンドリーで優しかった。

 人見知りを発揮して、千佳くんの背に隠れるわたしに根気よく話しかけ、お菓子もくれたこともある。多少なりとも心を許せる人だ。

 あれ? でもそれなら、千佳くんの好きな人って……?


「れ、麗くん……」

《ん?》

「千佳くんのこと好きだったりする?あの、恋愛的な意味で……」

《……は? いや付き合うなら、ののちゃん一択。誰があんな性悪の頭でっかちと……》


 千佳くんの恋愛対象が、女の人と思い込みすぎていたのかも、と麗くんに聞いてみたが一刀両断。

 最有力候補の〝美麗〟がいなくなっちゃった。

 じゃあ千佳くんって誰のことが好きなんだろう?


「ゔぅ〜ん」


 頭を抱えて唸る。

 通話口で麗くんにくすくす笑われたけど、わたしには大事なことなので、発熱してる頭でいろいろ考えた。


《付き合えてもないのに束縛してんだ》

「ん?」

《ま、丁度いいや。直接打診しようと思ってたし、単刀直入に言わせてもらうね》


 なんの、話だろう。

 わたしに用件があるらしい麗くんに、スマホを耳に当てたまま首を傾けた。