国一番の大悪女は、今から屋敷の外に出て沢山の人達に愛されにいきます

あの日……身体の弱かった幼い私が外に出た日。

リーリルと近くの森へピクニックに向かった日。

私はリーリルとはぐれて、そのまま倒れた。

しばらくして、目が覚めた私の下には……




頭から血を流した少年が下敷きになっていた。




どうやら私は体調が悪くて倒れた拍子(ひょうし)に崖から落ちたようだった。

泣き喚いて助けを呼ぶ私に何故かその少年は微笑んだ。



「大丈夫だから」、と。



それでも、近くに人を探しに行った私がリーリルを連れてその場所に戻るともうその少年は居なくて。








「……あの日、『弟』は偶然出会った君を救って、亡くなった」








フリクがそう呟いた声で私は顔を上げた。





「そして、傷を負って弱ったことで力が衰弱して、そのまま消えた。俺たちも万能ではないから」





フリクはまるで自分で自分を嘲笑(あざわら)っている様だった。