可愛く着飾って、もっと愛して〜強引でめちゃくちゃな私のクチュリエ様〜

「どうしたの?」

「いや…、まだナノいるなと思って」

「うん、まだ練習してた!」

夜8時を過ぎたところ、冬の8時は真っ暗で外は超寒い。でもずっと歩いてる私からすると汗がタラタラ流れるくらい練習場は暑い。

「一成もまだ残ってたの?」

「あぁ、もう少しやってこうかと思ってる」

学校のアトリエでやる方が一成曰く、集中できるらしい。私は家よりも学校の方が練習しやすいから毎日に残ってる、こんな広いスペース家にはないし。

「今日中に終えたいとこがあるんだが、もっと変化が欲しくて…今日はキリのいいとこまでやって家帰って練り直しだな」

でもたぶん学校でも家でもファッションショーのことを考えてる、一成は。

「ナノは?まだ帰らないのか」

「え、私は…」

チラッと一成の方を見る、一成がもう帰るって言うなら…
あ、そんなよこしまな考えはよくないのはわかってるけど!練習も大事なのはわかってるけど!

「一緒に帰るか?」

「うん…、帰る!」

一成といる時間だって、大事なんだ。

ファッションショーと同じくらいね。