可愛く着飾って、もっと愛して〜強引でめちゃくちゃな私のクチュリエ様〜

「自信作だ、今までの俺の作品で1番のな」

「…っ!」

腕を引かれやって来たのはもちろんいつものアトリエ。

一成がドアを開けた瞬間飛び込んで来る…


色鮮やかで煌びやかな光るようなドレスが。


「……。」

声にならなくて息を飲む。

瞬きもできない、瞬きをしたら飲み込まれてしまうような気がして。


一成の作る服は想像できないほどの色が使われ、見たことのない色合いなのにそれが新鮮に思えてしまうデザインをしている。

だから色を数えたくなるみたいに見入ってしまって、そんなドレスがキラキラ光を放ってー…


「…すごい」


本当はもっと言い表したいのに、私じゃ全然追い付かない。それがもどかしくてもっと国語の勉強をしておけばよかったってひそかに後悔をした。

「コンセプトはクリスマス!」

クリスマス…

でもツリーでもサンタでもなければプレゼントでもない。
想像できるものは1つもなくて、でもきっとそう思うことがもう違うのかもしれない。

「全てを込めてる」

キラキラと光る世界が、誰もがときめくクリスマスへのワクワクをそこにー…

「ファッションショーにピッタリだろ」

ピカピカと眩しい世界をそのまま表現したみたいだ。

「うん!すごくすてき!」

気持ちが高まっていく、ファッションショーへの思いが募っていく、そう思わせてくれるそんなドレスにドキドキと思いを馳せて。

クリスタルドームのランウェイを歩くって思うとめっちゃくちゃ緊張するけど、このドレスに袖を通すのも…それはそれでめっちゃくちゃ緊張はするんだけど…


早く着てみたいー…!