ああ、そうだ。──そうだった。 シャロは、アルブレヒトを守りたかったのだ。 つたない犬の言葉では、たった一つ、そのたった一つの約束を、形作ることができなかった。 「わたし、あなたを守りたい。アルブレヒトさま」 少し、沈黙ののち。口にしたのは、もう約束ではなかった。 アルブレヒトが耳にしていなくてもかわまない。 だってこれは願いではない──約束でも、希望でもなかった。これは、シャロが遺した、シャルロットの、もっとも大切な──自分自身への誓いだったのだから。 ◆◆◆