翌朝からは会議を何度も重ね、香の国との国交正常化に向け時間を費やした。
香の国の秀英達と密に話しを詰めながら、3週間後、遂に晴明は初手を打つ事を決行する事になる。
まずは、宮殿内に燻る膿を排除する。
場所は後宮の咲宮殿、大広間。集められたのはそこに住まう3人の側室と、その父親達だ。
軍師 楚 光源(そ こうげん)は、上皇の時代、軍においての策略や攻防、軍事費の使い道まで、ありとあらゆる戦の為の全てを一手に担っていた。
国防長官の蝶 倫白(ちょう りはく)は、諸外国との貿易に関しての全ての権限を持ち、国の経済を司どっていた。
右大臣の長 孫楊(ちょ そんよう)は、上皇の政治的な執り行いの全てを担い、国内での情勢を操っていたと言っても過言ではない。
そう、上皇はただのうつけ者でありお飾りに過ぎず、日々を後宮で遊んで過ごすような、どうしようもない皇帝だった。
香の国との戦争はこの3人の企てによって始まった。
始まりは40年前までさかのぼる。
前の皇帝が正妃を娶るさえ、隣国の聖国と香の国どちらかから妃を得る事になったのだが、話し合いの末、香の国の国王の3番目の娘を娶る。それが今の上皇后だ。
出迎えた日、それはそれは美貌に満ちた綺麗な姫君だったと、聞き伝えられているが…。
性格に難があり贅沢三昧を強いられ、あれこれと国税を使って買い漁り、飲めや歌えの晩餐会を毎晩のように繰り広げられたと聞く。
それに怒った国防長官の倫白が香の国の国王に訴えを起こす。
その頃の香の国は豊で平和だったから、それがどうしたと押し返された。
贅沢するのが王族であり、それを嗜めたいのならそれは夫である皇帝の仕事だと、最もなことを言って払い除けた。
そこから小さな小競り合いが勃発、気付けば陣取り合戦にまで繰り広げられ、香の国の政権を前国王が継いだタイミングで停戦条約結ばれ、今の冷戦の状態にひとまず落ち着いた。
結局この時、利を得たのは香の国の方で、それを打開する為躍起になった皇太子達が世継ぎ争いを初め、万世国は内戦となったのだ。
その頃、香の国でも急に贅沢を抑え付けられた貴族、豪族達によってクーデターが勃発したらしい。
それは前国王が追い詰められて、自害するまで終わらなかった。
そしてその前国王の家族達は散り散りになったと聞く。亡命した者、寝返った者、行方知れずになった者と散々の末路を辿ったと聞く。
聖国に亡命を果たしたのは前国王の正妃と秀英とその弟3人のみ。他に側室が1人とその子供が1人いたらしいが、今となっては行方知れずだ。
香の国の現国王はまた贅沢三昧の暮らしに逆戻り、国民達は重税を重ねられて疲弊している現状らしい。
幸せなのは貴族、豪族までだと言う。
一方、万世国は兄皇太子達の反乱を収めるべく、第五皇太子である世間から忘れられていた晴明を引っ張り上げて、世を納めようと古狸達が思い立ったのだ。
だがしかし、第五皇太子晴明の元に平和を取り戻してみれば、一重も二重も上手だった策略家、晴明の口車に乗せらて、古狸達3人は知らぬ間に政治の外に追い出され、今や肩書きでしかない現状に陥っていた。
自分達が転がすつもりでお飾りの皇帝を連れて来たつもりだったのに、良いように転がされていたのは自分達だったのだ。
それに気付いた時には既に蚊帳の外だった3人は、今度は娘を側室にと担ぎ上げ、次期皇帝の座を狙う事にした。
それが側室である、高琳妃、洋妃、杏妃である。
そして今、戦略家である皇帝晴明が、その駒達を使い香の国に一手を打つ。
香の国の秀英達と密に話しを詰めながら、3週間後、遂に晴明は初手を打つ事を決行する事になる。
まずは、宮殿内に燻る膿を排除する。
場所は後宮の咲宮殿、大広間。集められたのはそこに住まう3人の側室と、その父親達だ。
軍師 楚 光源(そ こうげん)は、上皇の時代、軍においての策略や攻防、軍事費の使い道まで、ありとあらゆる戦の為の全てを一手に担っていた。
国防長官の蝶 倫白(ちょう りはく)は、諸外国との貿易に関しての全ての権限を持ち、国の経済を司どっていた。
右大臣の長 孫楊(ちょ そんよう)は、上皇の政治的な執り行いの全てを担い、国内での情勢を操っていたと言っても過言ではない。
そう、上皇はただのうつけ者でありお飾りに過ぎず、日々を後宮で遊んで過ごすような、どうしようもない皇帝だった。
香の国との戦争はこの3人の企てによって始まった。
始まりは40年前までさかのぼる。
前の皇帝が正妃を娶るさえ、隣国の聖国と香の国どちらかから妃を得る事になったのだが、話し合いの末、香の国の国王の3番目の娘を娶る。それが今の上皇后だ。
出迎えた日、それはそれは美貌に満ちた綺麗な姫君だったと、聞き伝えられているが…。
性格に難があり贅沢三昧を強いられ、あれこれと国税を使って買い漁り、飲めや歌えの晩餐会を毎晩のように繰り広げられたと聞く。
それに怒った国防長官の倫白が香の国の国王に訴えを起こす。
その頃の香の国は豊で平和だったから、それがどうしたと押し返された。
贅沢するのが王族であり、それを嗜めたいのならそれは夫である皇帝の仕事だと、最もなことを言って払い除けた。
そこから小さな小競り合いが勃発、気付けば陣取り合戦にまで繰り広げられ、香の国の政権を前国王が継いだタイミングで停戦条約結ばれ、今の冷戦の状態にひとまず落ち着いた。
結局この時、利を得たのは香の国の方で、それを打開する為躍起になった皇太子達が世継ぎ争いを初め、万世国は内戦となったのだ。
その頃、香の国でも急に贅沢を抑え付けられた貴族、豪族達によってクーデターが勃発したらしい。
それは前国王が追い詰められて、自害するまで終わらなかった。
そしてその前国王の家族達は散り散りになったと聞く。亡命した者、寝返った者、行方知れずになった者と散々の末路を辿ったと聞く。
聖国に亡命を果たしたのは前国王の正妃と秀英とその弟3人のみ。他に側室が1人とその子供が1人いたらしいが、今となっては行方知れずだ。
香の国の現国王はまた贅沢三昧の暮らしに逆戻り、国民達は重税を重ねられて疲弊している現状らしい。
幸せなのは貴族、豪族までだと言う。
一方、万世国は兄皇太子達の反乱を収めるべく、第五皇太子である世間から忘れられていた晴明を引っ張り上げて、世を納めようと古狸達が思い立ったのだ。
だがしかし、第五皇太子晴明の元に平和を取り戻してみれば、一重も二重も上手だった策略家、晴明の口車に乗せらて、古狸達3人は知らぬ間に政治の外に追い出され、今や肩書きでしかない現状に陥っていた。
自分達が転がすつもりでお飾りの皇帝を連れて来たつもりだったのに、良いように転がされていたのは自分達だったのだ。
それに気付いた時には既に蚊帳の外だった3人は、今度は娘を側室にと担ぎ上げ、次期皇帝の座を狙う事にした。
それが側室である、高琳妃、洋妃、杏妃である。
そして今、戦略家である皇帝晴明が、その駒達を使い香の国に一手を打つ。



