(香蘭side)
その次の日から全ての景色が一変する。
朝、朝食を一緒にしたいと身支度を整え部屋を出ると、部屋から少し離れた所にある渡り廊下で、壁にもたれて立っている晴明様に出会す。
「おはよう、香蘭。よく眠れたか?」
私を見つけるなり満面の笑顔で近付いて来てくれる。
「お、おはようございます。」
眩しい笑顔に目が眩みドキンと心拍が急上昇する。
「朝一で会いたかったから待ってたいたんだ。」
惜しげもなく直球を投げられて私はドギマギしてしまう。
「えっと…何かご用でも!?」
寝起きのぼぉーっとする頭で、咄嗟について出た言葉はあまりにも間抜けで…
「いや、違う。昨夜の事を夢だと思われたくないから迎えに来た。」
彼は真顔でそう言って、当たり前のように私の手を取る。
「…そんな、事は…。」
「正妃にしたいと言ったのが嫌だったんだろ?」
歯切れの悪い私の心の中なんて、この人は簡単に見破ってしまうんだと悟る。
「嫌、とかでは…私では務まる訳がないと…教養も…地位も…何もかも持ち合わせておりませんし…全て不釣り合い……」
話しの途中で人差し指で唇を抑えられ、ハッとして彼を見上げる。
「俺の方が…
…昨夜は浮かれて、考えなしに口走ってしまった事を許して欲しい。
そなたの純粋無垢なその心を、あんな場所に…人の1番汚い心が渦巻く後宮なんかに…閉じ込めようと一瞬でも思った事に、申し訳なく…顔向け出来ない気持ちで一杯で、夜も寝れなかった。
そなたを後宮に迎え入れる前に全て整える。
とりあえず正妃の話しは保留にしよう。大事なのはそう言う事ではなかったと思い直したんだ。」
自分の過ちに気付き自から詫びるなんて、大の大人が皇帝という立場である方がなかなか出来る事ではないと、感動してしまう。
そんな晴明様は不意に立ち止まり、私の手を掲げて片膝を立てて跪く。
「なっ…何を⁉︎
やめて下さい、皇帝陛下ともあろうお方が…。」
焦って止めに入るのに、
「民の間ではこのようにして、許しを乞うのだそうだ。」
「許しを…⁉︎」
握られた手から心拍が伝わってしまいそうなくらい、ドキドキと時を刻む。
「香蘭、そなたを愛している。
どうか、俺と結婚して欲しい。」
その言葉はストンと一直線に心臓を射抜く。
私に拒む事など出来る訳がない。
どうしようもなく溢れる涙が頬をつたい落ちる。
「…私も、晴明様を、お慕い申し上げております…。ですが…こんな私で許されるのでしょうか…?」
「心配するな誰にも何も言わせない。俺はこの国の皇帝だ。全ての火の粉からそなたを守るとここに誓う。」
真っ直ぐに見つめらて、時が止まったかのようにしばらく見つめ合う。
涙でもはや何も見えなくなる…
だけど握られた手首に冷んやりとした感触を感じ、ビクッと身体が震える。
涙を手で無理矢理払い除け、自分の腕をまじまじと見つめる。
キラリと輝く宝石がついた黄金色に輝く腕飾りが嵌められていた。
「こ、これは…?」
「我が家に代々伝わる魔除けの腕飾りだ。
いかなる時も外さずお守り代わりに付けていて欲しい。」
「こ、こんな高価な物…頂くわけにはいきません。」
私に相応しくないと、慌て外そうとするが上手くいかない。
「これを外すのは些か難しい。俺以外に外せる奴はいないだろうな。」
悪戯っ子の顔をして晴明が微笑む。
「何処にいてもこれがそなたを守ってくれるだろう。」
決して大きな物ではないから、きっと料理をする時も邪魔にはならないだろうけど…
「ありがとうございます…。」
晴明様がそれで満足してくれるなら私も嬉しい…。
先の事は誰にも分からない。
だけど、今ここに確かな想いが重なるのなら全て受け入れ大事にしよう。この方の笑顔を見ていると、不思議とモヤモヤとした不安が消えてしまった。
「受け入れてもらえて良かった…。」
ホッとした様子の晴明様は立ち上がり、フワッと抱き寄せられる。
「あの…お時間…大丈夫ですか?」
いつもなら朝の忙しい時間帯、こんな悠長に話していて大丈夫なのか心配になってくる。
「少しは余韻に浸らせてくれ。」
ぎゅっと抱きしめられて、なかなか離れられなくなる。
この暖かい腕の中はドキドキするけど、揺るがない安心感を与えてくれる。大丈夫きっと…選んだ道は間違えていない。
その後の事は夢うつつでよく思い出せないけれど、一緒に食べた豪華な朝食に、ずっと嬉しそうに微笑む殿下の姿だけが焼き付きしばらく脳裏を離れなかった。
その次の日から全ての景色が一変する。
朝、朝食を一緒にしたいと身支度を整え部屋を出ると、部屋から少し離れた所にある渡り廊下で、壁にもたれて立っている晴明様に出会す。
「おはよう、香蘭。よく眠れたか?」
私を見つけるなり満面の笑顔で近付いて来てくれる。
「お、おはようございます。」
眩しい笑顔に目が眩みドキンと心拍が急上昇する。
「朝一で会いたかったから待ってたいたんだ。」
惜しげもなく直球を投げられて私はドギマギしてしまう。
「えっと…何かご用でも!?」
寝起きのぼぉーっとする頭で、咄嗟について出た言葉はあまりにも間抜けで…
「いや、違う。昨夜の事を夢だと思われたくないから迎えに来た。」
彼は真顔でそう言って、当たり前のように私の手を取る。
「…そんな、事は…。」
「正妃にしたいと言ったのが嫌だったんだろ?」
歯切れの悪い私の心の中なんて、この人は簡単に見破ってしまうんだと悟る。
「嫌、とかでは…私では務まる訳がないと…教養も…地位も…何もかも持ち合わせておりませんし…全て不釣り合い……」
話しの途中で人差し指で唇を抑えられ、ハッとして彼を見上げる。
「俺の方が…
…昨夜は浮かれて、考えなしに口走ってしまった事を許して欲しい。
そなたの純粋無垢なその心を、あんな場所に…人の1番汚い心が渦巻く後宮なんかに…閉じ込めようと一瞬でも思った事に、申し訳なく…顔向け出来ない気持ちで一杯で、夜も寝れなかった。
そなたを後宮に迎え入れる前に全て整える。
とりあえず正妃の話しは保留にしよう。大事なのはそう言う事ではなかったと思い直したんだ。」
自分の過ちに気付き自から詫びるなんて、大の大人が皇帝という立場である方がなかなか出来る事ではないと、感動してしまう。
そんな晴明様は不意に立ち止まり、私の手を掲げて片膝を立てて跪く。
「なっ…何を⁉︎
やめて下さい、皇帝陛下ともあろうお方が…。」
焦って止めに入るのに、
「民の間ではこのようにして、許しを乞うのだそうだ。」
「許しを…⁉︎」
握られた手から心拍が伝わってしまいそうなくらい、ドキドキと時を刻む。
「香蘭、そなたを愛している。
どうか、俺と結婚して欲しい。」
その言葉はストンと一直線に心臓を射抜く。
私に拒む事など出来る訳がない。
どうしようもなく溢れる涙が頬をつたい落ちる。
「…私も、晴明様を、お慕い申し上げております…。ですが…こんな私で許されるのでしょうか…?」
「心配するな誰にも何も言わせない。俺はこの国の皇帝だ。全ての火の粉からそなたを守るとここに誓う。」
真っ直ぐに見つめらて、時が止まったかのようにしばらく見つめ合う。
涙でもはや何も見えなくなる…
だけど握られた手首に冷んやりとした感触を感じ、ビクッと身体が震える。
涙を手で無理矢理払い除け、自分の腕をまじまじと見つめる。
キラリと輝く宝石がついた黄金色に輝く腕飾りが嵌められていた。
「こ、これは…?」
「我が家に代々伝わる魔除けの腕飾りだ。
いかなる時も外さずお守り代わりに付けていて欲しい。」
「こ、こんな高価な物…頂くわけにはいきません。」
私に相応しくないと、慌て外そうとするが上手くいかない。
「これを外すのは些か難しい。俺以外に外せる奴はいないだろうな。」
悪戯っ子の顔をして晴明が微笑む。
「何処にいてもこれがそなたを守ってくれるだろう。」
決して大きな物ではないから、きっと料理をする時も邪魔にはならないだろうけど…
「ありがとうございます…。」
晴明様がそれで満足してくれるなら私も嬉しい…。
先の事は誰にも分からない。
だけど、今ここに確かな想いが重なるのなら全て受け入れ大事にしよう。この方の笑顔を見ていると、不思議とモヤモヤとした不安が消えてしまった。
「受け入れてもらえて良かった…。」
ホッとした様子の晴明様は立ち上がり、フワッと抱き寄せられる。
「あの…お時間…大丈夫ですか?」
いつもなら朝の忙しい時間帯、こんな悠長に話していて大丈夫なのか心配になってくる。
「少しは余韻に浸らせてくれ。」
ぎゅっと抱きしめられて、なかなか離れられなくなる。
この暖かい腕の中はドキドキするけど、揺るがない安心感を与えてくれる。大丈夫きっと…選んだ道は間違えていない。
その後の事は夢うつつでよく思い出せないけれど、一緒に食べた豪華な朝食に、ずっと嬉しそうに微笑む殿下の姿だけが焼き付きしばらく脳裏を離れなかった。



