香蘭の部屋の前まで辿り着き『おやすみ。』を交わして帰り際、晴明が軽く香蘭の頬に唇を寄せる。
「ひゃっ…⁉︎」
小さく叫んで驚く香蘭の髪をサラッと撫ぜて、晴明はにこやかな笑顔を残して去って行った。
香蘭は与えられた部屋に逃げ込んで、扉の前でしゃがみ込む。
心臓はバクバクだ。
想いが通じ合ったのだから、触れ合う事は決していけないことではないのだけれど…。
男女のそうゆう事に疎い香蘭にとって、既に一杯一杯でどうして良いのか分からない。
寝台に潜り込み早く寝てしまいたいのに、先程からの余韻が凄くて神経が逆立ってなかなか眠れない。
ところで…婚約の儀とは何をするのだろう?
皇帝陛下である晴明にとって、それは国内外に知れ渡るような、重要な儀式なのではないかと少し怖気付く。
側室にだって相応しく無いのに、正妃だなんてとても無理…。教養もなければ地位も無い…私なんて、晴明様の足手纏いになってしまうのではと、心配しかない。
好きだけじゃ…とても勤まらない厳しい世界に、飛び込もうとしているのだ…。
香蘭は結局、アレやこれやと思い悩みやっと意識を手放したのは、朝も白々と明けて来る早朝だった。
「ひゃっ…⁉︎」
小さく叫んで驚く香蘭の髪をサラッと撫ぜて、晴明はにこやかな笑顔を残して去って行った。
香蘭は与えられた部屋に逃げ込んで、扉の前でしゃがみ込む。
心臓はバクバクだ。
想いが通じ合ったのだから、触れ合う事は決していけないことではないのだけれど…。
男女のそうゆう事に疎い香蘭にとって、既に一杯一杯でどうして良いのか分からない。
寝台に潜り込み早く寝てしまいたいのに、先程からの余韻が凄くて神経が逆立ってなかなか眠れない。
ところで…婚約の儀とは何をするのだろう?
皇帝陛下である晴明にとって、それは国内外に知れ渡るような、重要な儀式なのではないかと少し怖気付く。
側室にだって相応しく無いのに、正妃だなんてとても無理…。教養もなければ地位も無い…私なんて、晴明様の足手纏いになってしまうのではと、心配しかない。
好きだけじゃ…とても勤まらない厳しい世界に、飛び込もうとしているのだ…。
香蘭は結局、アレやこれやと思い悩みやっと意識を手放したのは、朝も白々と明けて来る早朝だった。



