一途な皇帝陛下の秘恋〜初心な踊り子を所望する〜

温かな湯殿に浸かりながら、涙が次から次へと溢れ出す。なぜこんなにも悲しいのか…

舞台の後はいつだって気持ちの起伏は激しいけれど、晴明様の優しい笑顔が頭から離れない…。

もう…これ以上近付いてはならないと、心の奥底で警告音が鳴り響く。

私はなんて罪深い…
何処の何者かも分からない身の私生児の分際で、どうしてこのような場所まで、のこのこと着いて来てしまったのだろう…。

後悔の念ばかりが頭を掠める。

皇帝陛下ともあろう方が…
どうして私なんかを身請けしたいと言われるのか…私自身が1番分からない…。

出来るだけ早く、この芽生えつつある思いに蓋をして、身を引かなければ…。

そう思えば思うほど…涙は溢れて来るばかり…

それでも、身体が温まり緊張が少し取れてくると…スーッと頭から血の気が引いて行く感じがして、バシャンと危なく湯船に潜りそうになってしまう。

お風呂場なんかで倒れて…晴明様にこれ以上の迷惑はかける訳にはいかない…

ふわふわとする意識の中で、なんとか脱衣所に行くけれど…目の前が真っ白になり…

そこで意識が途絶えてしまった…