一途な皇帝陛下の秘恋〜初心な踊り子を所望する〜

微睡の中、鳥の囀りを聴く。
もう朝が明けたのだろうか…?

俺は目を開けたら全てが消え失せてしまいそうで、怖くて目が開けられないでいた。

「…晴明様…晴明様…。早く起きなければ、お仕事の方が来てしまいます。」
香蘭の声を耳に聞き、なぜがホッとして目を開ける。

抱き合ったままいつの間にかお互い寝てしまったようで、素肌のままの感触が気持ち良い。

「おはよう、香蘭。」

「おはようございます、晴明様。」
微笑めば、微笑見返してくれるから、また欲しくなって唇を奪う。

「だ、ダメです。早く華宮殿に戻らなければ…きっと皆さん心配して探されておりますよ。」
こんな時でさえ他人のことばかり気にしてしまう優しい香蘭は、いつの間にか俺の腕をすり抜けて、ササっと衣を着てしまう。

「この寝着を誰かに見られたら、恥ずかしくて生きていけません。」
そう言って両手で顔を隠してしまう。
明るい光の中、その姿を再度じっくりと堪能する。

「うん、そうだな。俺以外が見たら殺してしまうかもしれん。」
俺は物騒な言葉を吐いて、眠たい身体を無理やり起こす。

自分の衣を慌ただしく着て羽織を1枚香蘭にかける。
「とりあえず戻るか。」
今日から3日は休みをもぎ取った。誰にも邪魔はさせない。そんな気持ちで素早く彼女を抱き上げもと来た道を急ぐ。

「せ、晴明様…私、歩けますから。その…お疲れではないですか?」
顔を赤らめてそれでも俺の身体を気遣い聞いて来てくれる。

昨晩も高揚して汗ばむ俺を気にかけてくれていた。痛くて辛い思いをしたのは香蘭なのに…。

「俺は大丈夫だ。そなたの方が辛いのではないか?それにこの方が早く帰れる筈だ。」
そう言って笑い、明け方近く何食わぬ顔で華宮殿に戻った。