一途な皇帝陛下の秘恋〜初心な踊り子を所望する〜

それから香の国と万世国、聖国は三国友好条約を結び同盟国となった。

同盟を結んだそのままの勢いで、香の国の王宮へと秀英率いる革命派の官僚達と、万世国の第3部隊も率いて入城する。

そこは既にもぬけの殻になっていた。

金品、財宝、宮殿内に飾られていた装飾品までもが奪われ、その有り様はまるで泥棒に入られたかのように荒らされていた。

それというのも、劉進に関わっていた家臣や軍師達が、奪える物なら何でも奪って逃げたという。

持ち逃げ窃盗、物損…いくつもの罪を重ねて、彼らは逃げ切れると思っているのだろうか…。

そして、最後に残った者は前国王である秀英の父を慕っていた者達だけだった。

これぞ見事な無血開城だった。

忘れてはいけないのは、劉進に嫁いだ元側室の高琳一族だが、彼らも無血開城時に既に姿をくらましていた。

皇帝の伝令では、見つけ次第今後の生活の保護と支援をと言われていたが、第3部隊が屋敷に訪れた時には既に誰もいなかった。

嫁いで短い間ではあったが、劉進からの溺愛を受け、充分な贅沢と幸せを体験出来ただろうと思う。

その後の事に関しては自由に生きよとの伝令だったが、人の道から外れぬようにまっとうに生きていって欲しいと願い、行方は探さぬ事になった。